「十勝の星空鑑賞」インタビュー(櫻井彩さん)(前編)
日高山脈に東方に位置する十勝地方、冬は全国有数の晴天率で、夜の星を楽しむのに絶好の季節です。星空を見るのが大好きで、「星空案内」もされている櫻井彩さん(大樹町出身)に十勝の星空鑑賞の楽しさをご紹介いただきます。星空連続インタビュー前編です!
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ヌプカ:本日はよろしくおねがいします。まずはご出身の大樹町について教えていただけますか?
櫻井さん: 私が生まれ育った大樹町は、帯広の南側、車で約一時間の農業と漁業が盛んな町です。 実家は農村部にあり、緑豊かで自然が生活の中にいつもある、そんなところです。 もちろん外灯もなく、夜はまっくら闇。星がとてもよく見える場所です。 星を好きになったのも、その夜空をよく眺めていたからでしょうね。現在は帯広近郊に住んでいて、あの星空がどこでも見えるものではなかったことに気付きました。大樹の星空が、いっそう好きになりました。
ヌプカ: 大樹町で昨年初めて開催された「宇宙の森フェス」の活動もしておられるとお聞きしました。
櫻井さん: そうなんです。昨年9月に大樹町で初めて開催された、宇宙の森フェスの実行委員もしています。 https://www.facebook.com/uchunomorifes/
宇宙の森フェスでも満天の星空をたくさんの方に見ていただくことができました。 自慢の星空だったので、とても嬉しかったです。
ヌプカ: 宇宙の森フェスで、星空をどのように見ていただいたのですか?
櫻井さん: 陸別の銀河の森天文台から星空案内人をお招きして星空案内をしていただきました。実は、私が星に詳しくなったのは、陸別の銀河の森天文台に通うようになってからなんです。 そこでいろんな事を教えていただき、さらに星が身近になりました。
ヌプカ: 櫻井さんご自身も「星空案内」をされているのですね?
櫻井さん: そうなんです、有料のものではなく、趣味の範囲でのご案内ですが。星空案内をするようになったのは、友達がくれたライトがきっかけでした。 夜空にむけたそのライトは、星を指し示すようにまっすぐ光が伸びるもので。 「これで星座を教えて!」と言われて星を辿ったのがはじまりです。 最初は友人相手でしたが、次第に知人からも頼まれるようになり管外からこられる方などへもご案内するようになりました。
ヌプカ: 「星空案内」でどのようなことを伝えたいですか?
櫻井さん: 十勝はほんとうに星がきれいに見えます。ただ見上げるだけで十分魅力的なこの星空ですが、星座がわかるとまた違った見方ができるんです。 「名前を覚えると、仲良くなれる」私はそう思っていまして。 星でも、高山植物でも、人間でも、名前を覚えると次もまた見たい、会いたい、それが楽しみの一つになるんです。 専門家ではないので、難しい話はできませんが、星を身近に感じるきっかけになれるような、季節ごとの見つけやすい星座や、それにまつわる神話やちょっとした宇宙のお話しなどさせていただいています。
ヌプカ: 星空を観ることの魅力は?
櫻井さん: 奇麗、というのはもちろんですが、いつの時代も、ほとんど変わらない光をその時代の人がみている、それがなんだか嬉しく感じます。 私たちは過去の光しかみることができません。冬の大三角の一つで、全天で一番明るいおおいぬ座のシリウスも8年ちょっと前の光。ずっとずっと遠くから長い年月をかけて光を届けた星は、もしかしたらもうないかもしない。そして新しい星を生み出す材料になっているかもいれないんです。 そんなことを考えながら見上げるのもまた楽しいですよ。
(後編に続く)
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