星空連続インタビュー後編。日高山脈に東方に位置する十勝地方、冬は全国有数の晴天率で、夜の星を楽しむのに絶好の季節です。星空を見るのが大好きで、「星空案内」もされている櫻井彩さん（大樹町出身）に十勝の星空鑑賞の楽しさをご紹介いただきます！

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ヌプカ：　季節によって見える星は違うのですよね？

櫻井さん： そうなんです。「この星がこの時間この位置に見える」そんなことで季節の移り変わりも感じられます。 夜明け近く、次の季節の星座がよく見えるようになると、今の季節への名残惜しさ、次の季節への待ち遠しさで浮足立つような感覚になります。 それも魅力ですね。

ヌプカ：　十勝でオススメの星空スポットはありますか？

櫻井さん： オススメはなんといっても、私の地元大樹町です。 特に山側の地区は、明るい星が多くある南の方角に日高山脈があるので空がとても暗く、降るような星に出会えます。

帯広近郊でも、南の方角に街灯りがないところなどを選ぶとよく見えますよ。 近場でしたら札内の高台や、川西地区なども観にいきます。 また、然別湖や糠平湖など、湖もおすすめです。風のない日だったら湖面に映った星で星座も辿れたりしますよ。

ヌプカ：　星空鑑賞に向いている時期はありますか？

櫻井さん： 時期はやはり 天の川がよく見える夏です。 天の川の中でも星がたくさん集まる部分が午後8時くらいに一番見やすい位置にきます。 そして気温も夜でも過ごしやすい時期ですしね。

でも、私が一番好きなのは冬です。 夕方の宵の明星・金星から始まり、東の空から冬の大三角が昇ってきます。 大三角の最後に現れるのが、一際明るいおおいぬ座のシリウスです。その青く強い光は冬の冷たい空気と合わさって、射貫かれるような力があります。

あと、夏しか天の川はみれないと思っている方が多いようですが、実は一年中見えているんですよ。冬の天の川はカシオペア座から冬の大三角の真ん中を通っています。銀河の中心の反対方向のため夏より目立ちませんが、明るい星が多い冬の空のなかで淡く光っています。

ヌプカ：　流れ星も見れたりしますか？

櫻井さん： 意外と流れ星もたくさん流れますよ。 冬は三大流星群のうちのふたつ、12月のふたご座流星群と、1月のしぶんぎ座流星群が出現します。 ほかにも国際宇宙ステーションはタイミングがよければ年間とおして見れますし、衛星もいくつもゆっくりと空を渡っていくのが見えます。

ヌプカ：　十勝で星空を楽しむことの魅力は？

櫻井さん：十勝は大きな平野があり、空がとても広いです。 以前札幌から来た方に、地面すれすれまで星が見えて地球ってまるいんだなって実感したと言われたことがあります。 私にとってはあたりまえで気づきませんでしたが、あらためて十勝の空の広さをを実感した一言でした。

また、冬の時期は星と一緒に雪をかぶった日高山脈の稜線がどこまでも続いているのがみえます。 とくに月が半月くらいで出ている時など、雪原と日高山脈と星という、素晴らしい景色に出会えます。十勝ならではの景色でしょうね。

ヌプカ：　冬に星空を観るのは寒くないですか？

櫻井さん：　寒いです（笑） 厳冬期なんて外気に触れている部分が痛くなるほどです。 でもどの季節よりきれいな景色が見れます。 去年の夜、-20℃ちかくの糠平湖でスノーシューを履いてタウシュベツ橋へ行きました。 あまりの寒さにまつ毛も凍るほどでしたが、凍結した湖は真っ白な雪原で、そこに満天の星で寒さも忘れるほどの美しさでしたね。

しっかり防寒して、ぜひ冬の美しさを感じていただきたいですね。 あたたかい飲み物とホッカイロはぜひ持参してください。

ヌプカ：　最後に、HOTEL & CAFE NUPKAについて一言いただけますか？

櫻井さん：　ホテルは宿泊客以外には閉鎖的なイメージがあったのですが、HOTEL NUPKAは逆でした。 気軽に友人とコーヒーやランチを楽しむこともできますし。

おもしろいイベントがたくさん行われているので、気づけばもう何度もお邪魔していますね。 おもしろい人がたくさん集まる場所だと思います。人が人を呼び、おもしろいものが生まれていく。私もここでたくさんの人に出会い、多くのものを得ることができました。

星もそうですが、もとは一つの点です。それを結んで星座になる。 HOTEL NUPKAは人や物に新しい線を繋げて、新しい形を生み出す、そんな場所だと思います。

ヌプカ：　本日は楽しいお話しをありがとうございました！

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